日々ムダヅカイ

テレビ、ゲーム、漫画などで構成されてます。

生きてる俺らも醜いバケモノ『ナイト・オブ・ザ・リビングデット』を観たよ

 先日、フォロワーに誘われて『ナイト・オブ・ザ・リビングデット』を観ました。世のゾンビ映画の礎を築いたと言えるジョージ・A・ロメロの初作品だ。1968年に公開ともあって白黒なのだが、その存在感は絶大です。

 

~あらすじ~

 墓参りに訪れた兄妹のジョニーとバーバラ。あれこれ戯れていると何やら様子のおかしい男性が現れてジョニーが襲われてしまった。突然のことに恐怖で引きつるバーバラはなんとか民家に逃げ込むのだった。人間に瓜二つな化け物たちに震えるバーバラを助けるかの如く現れたベン。さらにカップルのトムとジョディ、夫婦のハリーとヘレンと娘のジュディによって、民家の籠城劇は予想だにしない結末を迎える.....

 

 

 

 序盤から何か起こるぞ~って雰囲気がビンビン出まくってた。BGMのせいなのかOPはただ車で道を走るってだけなのに空気が既に不穏。お墓参りに来たというシチュの時点で終わりだよ。

 本編は1時間半ほどなんですが、序盤からいきなりゾンビ出てきます(劇中は一言もゾンビとは言われてないが便宜上そう書くよ)。放射能で死体が動き出すという設定は面白かった。まさかのミュータントタイプに驚きです。ちな放射能でお馴染みのゴジラは54年に出ているぞ。放射能やばいね!

 

 放射能で生まれるゾンビは人間が死体になった途端にゾンビ化します。まじで驚くくらい早い。劇中の主要メンバーの一人が撃たれて数分後にはゾンビになって動き出しますからね。

 動いたとて死体なので弱点は炎タイプ。火があれば怯えて避けますし、火を付ければあっという間に燃える。死体ができたら即処理しろぐらいのノリ。「葬式の家庭は可哀想ですが、泣いてる時間もないですね」という笑いどころなのか絶妙に困る台詞もある。

 もう一つ弱点があって、頭をぶっ叩いたり打ち抜いてヤる。脳の働きであれやこれやして動いているのでグチャグチャにすれば止まる。筋力が無い私にやれるだろうか。アポカリプスを生き抜く自信がないぜ。

 

 ゾンビの群れから生き抜くため民家に籠城するのだが、閉鎖された空間の中では様々な人間ドラマもあった。

 みんな死に物狂いで逃げ込んだわけで「いつまでこの状況が続くんだという苛立ち」「ゾンビがいつ入り込むか分からない緊迫感」「そして何よりここから脱出したい」それらが入り乱れ、ついには大爆発。物語は悲惨な結末になってしまった。

 まず主人公のベン以外死にます(最初バーバラが主役かと思ってた)。車で大爆死、内輪揉めで射殺、シンプルにゾンビに食われる。ゾ映の全部やってたかも。これ全部みんなで協力しよう!ってなった後に雪崩のように起こっていくから泣く。

 

 最後はベンだけなんとか残って朝を迎えて嬉しかった。お前が一番頑張ってたの俺ら知ってるからさ!! これでハッピーエンドだー!!.....と思っていました。

 全編ほぼ家の中なんですけど、TVで情報収集してたのである程度は外の状況はわかってたんですよ。政府が軍出してゾンビ狩りしてくれてたんす。やるやんと思ってた、思っていたのに最後の最後でやりやがったよ。

 ちょうど軍が逃げ込んだ民家周辺に来てくれてさ、これで助かると思ったの。ベンが外の様子を覗いた瞬間事件が起きた。なんと軍はベンをゾンビと判断して射殺。なんとこの映画、主要メンバー全員死んで終わったのだ

 まさかのオチです。軍の躊躇なく撃つ絵はゾっとしました。あの感じだと、人が無事であろうとなかろうと手あたり次第撃ってますね。その後の淡々とした死体処理がより一層に悲壮感が出ている。なによりショックなのが人間としてベンが殺されたこと。やるせないよ。

 

 

 令和にとんでもない映画を見たなと思います。当時の反応色々知りたいよ。白黒だからといって古臭いワケではなく、家具とか服とかお洒落に見れましたね。

 私は怖いの苦手なのでホラー系はめっちゃ避けてきたのだが、それでも楽しめました(それでも声は出まくった)。グロ描写もそこまでなく(無いとは言ってない)ホラー初心者でも見れるのではなかろうか。

 食わず嫌いはよくないなと思いましたね。とはいえホラー映画を一人で見るの怖いぜ! 映画館で観たらどうなっちゃうんだろうな.....。誰か―!! 一生一緒に暮らしてくれる人ー!!!!